代表者ごあいさつ

吉田総合事務所の吉田です。 分譲マンションのストックは今や「700万戸」を超え約1,5１６万人が居住する住宅形態となっており、各種の意識調査ではマンションは将来は戸建に住むための一時的なものから、「終の棲家」と考えている人が、約5割にもなってきており、今後もますますその重要性を増していくことが見込まれています。

一方、２０２２年末には１２５万戸が築４０年以上経過し、　　建物・設備の老朽化対応と、居住者の高齢化への対処の問題に直面しています。 

また一般的な居住マンションのほか、リゾートマンション、投資用マンション、商業施設その他の用途と複合したタワーマンションなど様々な形態のマンションが普及してきており、管理面も複雑で多種多様な対応が求められて来ています。  

マンションはプライバシーが守られ、戸建てにはない快適さがあると言われていますが、その快適なマンションライフを維持し続けるには莫大な費用が必要になりマンションの管理費から無駄な支出は避け節約できるものは出来るだけ節約していかなければなりません。

また、マンションは大勢の人が１つの建物に住まう集合住宅であることから、そこに住んだ瞬間からコミュニティーの一員となり、各種マンション法、規約に則って、「自分たちのことは自分たちで決めなければならない」、「自治」を原則とする共同体組織です。　 

「マンションは管理を買え」と言われるように大切なマンション（資産）を守っていくには、管理は極めて重要です。

マンション管理は管理会社がやってくれるものと思っている居住者が殆んどですが、管理会社はマンション管理を管理組合が委任代行させているだけであり、管理をどうするか、予算はどうするのか等の管理組合の方針は管理組合自身が決めていかなければなりません。

管理上の責任は管理組合に責任があること、管理組合にも企業と同じく経営的感覚が必要であるとの認識が必要です。管理状況が良好なマンションは“管理組合”が自主性を持ってしっかり運営・機能しているところです。これによって資産価値が大きく変わることになります。管理会社に任せていても管理会社に何もかも責任を負わせることはできません。管理の主体は、あくまで管理組合にあります。

購入時にはマンションはピカピカで煩わしさとは無縁の快適マンションライフを夢見ていながら、時とともに数多くの問題にぶつかることになります。これらの諸問題を管理会社任せでなく、管理組合自身が主体性を持って早め早めに解決していかないと、快適なマンション生活、および大切なマンションの資産価値が守れません。

しかしながら、区分所有者の輪番制の管理組合役員の多くは本業を持って就任しており、管理組合運営にはなかなか時間が割けないのが現実で、管理組合運営に求められる

1. 主体性
2. 専門性
3. 継続性
4. 公平性

を持っての組合業務の運営には、自主管理の管理組合のように専任体制が取れない管理組合役員には負担が多く、現実には多くの管理組合は管理会社任せになっていると言えます。    

こうした中で、管理組合役員（理事長、理事）、区分所有者の負担を軽減するために管理業務を外部の管理会社に委託することは必要なことですが、利益相反関係にもある管理会社に任せきり、頼り過ぎることは管理業務の適正執行上問題が生じかねません。

管理会社の業務を第三者の専門家の立場でチェックし、管理組合の立ち位置でマンション管理全般に対してコンサル（助言・指導）のできる、マンションの管理・運営に幅広い知識と、深い専門性を持ったマンション管理士等のプロの活用が、１つの建物に価値観の異なる多数の居住者が住まうことから合意形成がなかなか難しい居住形態のマンションには求められて来ています。
（＝中立的なプロの目でマンション管理を効率的、合理的、継続的に適正化していく時代ともいえます）